こんにちは！おっさんお菓子ブロガーの「てんさい」です。さて今日からいよいよ和菓子レポートの開始です。和菓子の数は星の数ほどあれど、と思っていろいろ思案しながら歩いていたのですが、とある和菓子屋さんで見かけた、普通の大福とはちょっと違う色をした大福・・。滋賀県の近江八幡市に本店があ…… more る「たねや」（https://taneya.jp/home/）さんの店頭で見かけた、少し濃いめの紅色、多少茶色がかった紫色の大福が、妙に気になりました。私「これなんですか？大福ですか？」店員「そうです。大福ですね」私「この色は着色か何かですか？」店員「この大福用のお米に古代米が入っているんですよ」古代米、コダイマイ、こだいまい・・・・。白米と古代米の違いって何だ！と思って調べたのですが、元々お米は赤や黒、紫色だったらしいのです。それが、時代が降りてきて人間が稲作によってお米を栽培するようになると、徐々にそれらの色がなくなり、白米に変わっていったそうなんです。この現象を「栽培化」と言うそうです。それに対して、古代米とは「野生米」ということができるようです。栄養価的には古代米の方が蛋白質やビタミン、ミネラルが多いのが特徴だそうです。 ただ野生米なので、収量にはバラツキがあるそうで、効率的な生産を行う上で人間の手によってお米の栽培が始まり、それにつれて野生米の持っていた本来の性質が失われて、色も白くなっていったのだとか。 そしてこの赤黒の色合いがすごく日本的なのです。赤は神社の鳥居に塗られる「朱」に近く、黒は高貴な色を表す「紫」に近い。なんだか最初、この色を見たときに、なにやら神様のご加護、まさに「福」が舞い降りてきそうな気持ちになりましたよ、ハイ。 赤米大福の中は粒あん、黒米大福の中はこしあんでした。（左が赤米大福、右が黒米大福） 割としっかり餡が詰まっていて、ずっしり感がありながらも、甘さはかなり抑えめに感じられ、2個があっという間に胃袋に到達してしまいました（苦笑）。少し余談ですが、ネット上の某所で最近「粒あんvsこしあん」マッチが行われたそうです。 「どちらかというとこしあんの方がスキ」が大勢ということで「こしあん」に軍配が上がったのですが、私は断然、小豆の食感を楽しめる粒あんが上と思っていますので、「楽しみは後にとっておく」派（笑）ということもあり、黒米大福（こしあん）を先にいただきました。赤米にも黒米にもほのかに、白米にはない独特の香りが。この独特の香りがひとつのアクセントになって楽しめる味わいかもしれません。スィーツを味わうだけでなく、日本人の米栽培の歴史まで勉強できる、まさに一石二鳥な素敵な和菓子でした。本日はお読みいただきまして有り難うございました。  close

赤米・黒米の大福に「福」を見た！（たねや）